BAMBOO SHOOTS MOUNTAIN JOURNEY vol.10

 

マウンテンハードウェア×バンブーシュート
出来上がった新作を試しに 
ぶらりと千葉の烏場山ハイクへ

 

   

実はディレクターの甲斐は、マウンテンハードウェアの古くからの愛用者。そんな憧れであるブランドの定番アイテムをバンブーシュートが特別にセレクトしたカラーのアイテムが登場しました。それが今回ご紹介する「キャニオンショートスリーブシャツ」「スクランブラー25」というバックパックです。

今回は、それらの使い心地を確かめるべく、マウンテンハードウェアの近藤伊織さんと一緒に、千葉県の烏場山へ。

 

  

「烏場山ってネクスト高尾山って声もあるらしいですよ」

今回同行してくれたマウンテンハードウェアの近藤さんが教えてくれる。

たしかに都心からクルマで約2時間。アクセスが良く、雪の心配がないため1年中楽しめるという点でも、気軽にいける低山としてもなかなかのポテンシャルです。

駐車場から歩き始めると、菜の花畑が広がります。今回訪れた和田浦周辺は花の産地としても知られていて、ビニールハウスを覗くと綺麗な花々が咲き乱れています。

花と甲斐。ちょっとシュールな絵ではありますが、こういう里山歩きも低山ハイクの楽しみのひとつです。 

 

 

20分ほど里山を歩くと登山口に到着。道標には花嫁街道という文字があります。この道はもともと、山間集落と海辺集落を結んでいた古道で、かつては生活物資が行き来し、それこそ山間部から海辺へと花嫁行列が通った道でもあるんです。

登り始めは、それなりの坂が続きます。ところどころ崩落の跡もありますが、じつはこのあたりは2019年の台風15号で、一度壊滅的なダメージを受けたという過去があります。現在では、多くの地元有志の方々の努力によってハイキングコースが復活しています。

 

いちど上がってしまえばフラットな道が続き、危険箇所などもないので、のんびり歩ける良コース。

植生も豊かです。杉やヒノキなどの人工林のほかに、マテバシイ、スダジイなどのシイノキが多くて、シダ植物もちらほら。

関東とは思えない南国感ある山なんです。ちなみにシイの実は煎って食べると香ばしくてとても美味。落ちていたら山頂で炒ってみようかと探してみましたが、残念ながら実が落ちるのは秋。時期があわずでした。 

 

 

ときおり、海がちらっと見えるのも内陸部の山にはない新鮮さ。

「海が見える山って、なんだかご褒美感あって好きです」と近藤さんは、海が見えるたびに小さく歓声をあげる。

「なんかすっごい絡みついてる」

甲斐が指差す先には杉に絡みつくフウトウカズラというツル植物。甲斐がよく行く奥多摩や丹沢などの山とは植生がぜんぜん違うのでいろんなものが新鮮に映る様子。

 

「じがい水ってなんでしょうね」

途中にあった道標で足を止めた近藤さん。

「もしかして、お嫁に行くのがイヤすぎて、ここで自害しちゃったとか……」という近藤さんの推理は半分正解。どうやら諸説あるようで、ここの水を飲んだ後に自害した説や、山中の隠し田(年貢を免れるため秘密で作った水田)の水源だったとも言われる場所。

 

 

頂上まであと少しのところで、急に視界が開けます。海を見下ろせる眺望の良い広場になっていて、絶好の休憩ポイント。眼下には太平洋が広がり、千葉県最高点である愛宕山や、伊予ヶ岳も見えます。

 

「伊予ヶ岳って千葉のマッターホルンって呼ばれてるらしいですね。1時間くらいで登れるみたいですけど、最後のクサリ場がなかなか良いって。今度行ってみようかな」

 

景色を楽しみつつ、甲斐はコーヒーの準備を始めています。

 

「やっぱりシャツって気持ち良いですね」

 

「甲斐さんって山ではシャツが多いんですか?」

 

「コットンのシャンブレーシャツとかで行くこともあるくらい好きです。スタイル的にも格好いいなと思うし、機能的にも前を開けることで体温調整もしやすい」

 

「女性目線だと、襟を高くできるフリップアップカラーなので、首周りの日焼けを防げるのもうれしいんですよ」

 

「マウンテンハードウェアのキャニオンシャツといったら、僕の中では名作中の名作です。2000年代の初期から愛用しているシリーズですね。とくに背面のベンチレーションの付け方が良い。さりげなくてデザイン的に目立たないところも好みです。今回のカラーは、僕が今でも持っている2000年頃のカラーリングっぽいですよね。ワッペンとかでカスタムしてもアメリカっぽくて良いかも」

 

甲斐がドリップするコーヒーが良い香りを漂わせてきました。

 

「やっぱり豆はこだわりの?」

 

「いや、ナチュラルローソン」

 

   

 

そこから少し歩くと今日の最高地点である烏場山山頂に到着。頂上からは房総の里山風景が見渡せますし、天気が良ければ伊豆大島や富士山を望むこともできます。266mという標高ながら新日本百名山、にっぽん百低山などにも選ばれている隠れた名峰です。

ここからは一気に標高を落として行きます。基本的によく整備されていて、かつて壊滅的なダメージを受けた山とは思えません。これも地元の方々の努力のお陰。感謝しかありません。

 

  

  

「変な形の木ってなんか惹かれるんだよなあ」と、甲斐が巨木の前で足をとめます。見上げているのは大きなタブノキ。日本中広く分布している照葉樹の代表格ですが、ここまで立派に成長しているのはなかなかお目にかかれません。

見晴らしも良いので、ここでバックパックを下ろしてひと休みすることに。 

「フレームが入ってるの久しぶりに背負ったけど、やっぱりいいですね。このフレームって外すこともできるんですもんね。いろんなシーンで使いやすい」

 

 

スクランブラーが一番好きなバックパック」という近藤さんが、各ディティールを説明してくれます。

 

「クライミングザックが原型になっているんですが、それをハイクでも使えるようにボトルホルダーなどを付けています。雨蓋を取りはずした状態でも使えるので、軽い日帰りだったらそういうアレンジも良いかもしれません」

 

甲斐が雨蓋を外すと、マウンテンハードウェアのロゴが出現。

 

「あれ? そんなところにロゴありましたっけ?」

 

「自分でカスタムしてみたんです。買ったらオマケで付いてくるデカールあるじゃないですか。それを試しに貼ってみたらめちゃくちゃ綺麗にいけました」 

「えー素敵! この仕様で売りたいくらいですね」

「僕がすごく良いなと思ったのは、取り外しできるコンプレッションストラップとデイジーチェーンですね。位置を変更することもできるので、これをうまく使って自分なりのシステムを作って行く感じがギアっぽくて好みです。そのシステムを強調するような形のクレイジーカラーも良いですね」

「細かいところですが、ワタシは引き手コードの素材感やカラーもお気に入りです。じつはこれ、工場の余剰在庫を再利用しているものなので、いろんなカラーがあるんです。だからぜひ店頭で好みの引き綱のものを選んでみて欲しいですね」

 

 

その後は、黒滝という滝を通り過ぎ、行きでも歩いた里山に戻ってきます。

そしてゴールは太平洋。この日は爆風だったため断念しましたが、ここでのんびりしてから帰るのもオススメのプランです。

距離的にも13kmちょっとというちょうど良さ。

のんびりなんだけどしっかり歩ける、リピートしたくなる良い山でした。 

 

「そういえば、和田浦ってクジラ料理でも有名らしいですよ!」

「近くに定食屋さんあるみたいだから、そこいきましょう!」

 

どうやら次なるマウンテンハードウェア×バンブーシュートのコラボ話もすでに進んでいるようで、そちらも乞うご期待。

 

「次はどこ行きましょうね」

12日でテント泊とかも良いですねえ」

 

なんだか甲斐と近藤さんが勝手に盛り上がっちゃってますが、これってシリーズ化決定ということで良いでしょうか!?

 

 

 

(商品クレジット) 

甲斐着用分

フーディージャケット(Kor AirShell Warm Jacket)¥27,500-

シャツ(Canyon Short Sleeve Shirts) ¥8,250-

バックパック (Scrambler 25 Backpack) ¥25,300-

 

近藤さん着用分

シャツ (Canyon Long Sleeve Shirts) ¥9,350-

中に着たTシャツ (W Hardwear Logo Tee) ¥6,050-

フーディージャケット (Stretch Ozonic Jacket) ¥28,600-

中に着たフーディージャケット (Kor AirShell Hoody) ¥16,500-

パンツ (Dynama/2 Ankle) ¥9,900-

キャップ (Shade Lite Performance Hat) ¥4,400-

バックパック (Scrambler 25 Backpack) ¥25,300-

 

以上

MOUNTAIN HARDWEAR / マウンテンハードウェア

お問い合わせ先

Columbia Sportswear Japan / コロンビアスポーツウェアジャパン

0120-193-803

http://www.mountainhardwear.jp/

 

EDITOR/WRITER

櫻井 卓 TAKASHI SAKURAI

 

PHOTOGRAPHER

木本 日菜乃 HINANO KIMOTO

 

STYLIST

永田 哲也 TETSUYA NAGATA