
もちろん、スーツなどの重衣料やレザーブーツなどは別かもしれませんが、ことカジュアルウエアに関しての技術は世界最高峰だし、もっと誇りに思っていいと思うんです。だから、僕は自分のブランドで、メイド イン ジャパンにこだわり続けています。
で、50年以上前の機械を実際に動かしている職人さんたちの話を聞く機会があったんですが…、もう、その職人さんたちの言葉に込められた情熱とかプライドとかこだわりっていうのがハンパなくて、本当に心を打たれたんです。そのとき、いつかこの人たちと仕事がしてみたいってすごく思いましたね。
で、4人の職人さんが毎日やってるんだけど、1人多くても一度に15台くらいしか動かせないらしくて、編む物にもよるけど1台で1日12~15mくらいしか編めない。スウェットに換算すると8~10着分らしくて…、必然的にキャパの上限も決まってしまう。だから大規模に展開していきたいブランドだと、物理的に商品が作れないんですよね。でも僕は、そこまで大きな商いをするつもりはないし、品質を落としてまでロットを増やそうとは思わないんです。自分の目の届く範囲でやっていきたいんですよ。
前職ではバイイングの仕事をしていたので、バイヤーさんの気持ちもわかりますから(笑)。僕もバイヤーのときはクオリティと値段のバランスを一番気にしていました。すごくこだわってるけど、数万円もするようなスウェットってどれだけの人が買えるんだろうって思いますしね。
それはクオリティもデザインとしてもです。自分の役目は、いい生地屋さんといい工場が持つ高い技術力や品質を、形に落としこんでエンドユーザーとの間を受け持つことだと思ってるんです。簡単に言えば、そういう橋渡し的な立場くらいにしか思ってないんです。だから、デザインなんかしてませんし、そもそも、デザインなんてできませんから(笑)。
僕の場合、服を作るインスピレーションは素材から入ることが多いです。生地スワッチを見て、この素材を使ってこんな形に落とし込んでみようとか、昔の古着を参考に別のアイテムに変えてみようとか。あとは、街の人とか知り合いの人を見て、日常生活の中で作りたい服をふと考える感じ。だから、コンセプチュアルなコレクションなんかは、やるつもりはないですね。ただ、合同展示会や海外展開のプロジェクトなんかは参加してみたいですけど。ただ、1人で回していくキャパを考えると難しいよね。


- インディゴ染めのリネン100%オリジナル生地を使用したワークウェアモチーフのベスト。高密度の打ち込みの生地なので麻素材とはいえ、型崩れしにくいのが特徴。Sancaならではのこだわりが凝縮されたアイテム。
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