
そうしてジョイントのTシャツを扱ってくれるお店も出てきて、今に続くブランドの活動がスタートしました。バンブーシュートとのおつきあいが始まったのもその頃。一番最初の展示会でニックさんと甲斐くんが来てくれて、お店で取り扱ってくれることになったんです。当時ヘンプといえば、今よりももっとヒッピーとか土着的なイメージが強かったので、バンブーシュートみたいなお店が反応してくれたたのはすごく嬉しかった。本格的なアウトドアものと一緒にヘンプのTシャツを置くっていうセンスも面白いなあと思いましたね。
決して大々的にメディアに出したりするのではなく、着てくれたお客さんの口コミが一番の宣伝になってくれるんです。だからある意味、けっこうわがままなことをさせてもらっているとは思います。作りたい時に作りたいものを作って、それをお客さんが気に入って買ってくれるっていう。もちろんお客さんがこういうのが欲しいっていうものを作るのも楽しいけど、基本的には自分がいいと思うものしか作れないんですよね。だから今これが流行ってるからという理由で作ったことは一回もない。その辺はブランドを始めた当初からブレてないところです。
ヘンプって、素材の種類が圧倒的に少ないんですよね。未だにヘンプそのものが、アパレルの世界では特殊な素材なんです。だから例えばTシャツならこれとこれ、スウェットならこれとこれっていう風に生地が限られてしまう。で、そこに自分が求めるものがなければ、一から生地を作ってしまおうと。そうすると時間もコストもかかる。そこが一番苦労するところですね。だからこそ、素材には自信を持っているというか、昔よりも素材に対する意識は強くなっています。立ち上げ当初から生地を織っていますが、やっぱり自分がずっとヘンプを着てきて、いろいろな生地の肌触りとかも試してきて、どんどん良い素材が織れるようになってきている。素材のクオリティでいったら、飛躍的に向上していると思います。
なんでヘンプをずっとやり続けているかというと、着心地の良さや素材自体の気持ち良さにどんどんハマってったからなんです。それと同時に、他の素材に対する意識も変わってきた。やっぱり素材って大事だなって。だからこそ全身をヘンプで固めるのではなく、他の素材と組み合わせて着るっていうのがジョイントの狙いでもあります。例えば肌に直接触れるTシャツや下着はヘンプにして、アウターはバンブーシュートにあるようなハイテクな素材のものにしたりと。ジョイントがベーシックなものばかりを作っているのは、そんな理由からでもあるんです。
まずは農薬を使わないで、簡単に栽培ができる。そして洋服以外にも、建材として木の代わりになったり、種から油が採れ、バイオディーゼルとして石油の代わりになったりと、様々なジャンルで転用できる。エネルギー論なんかがさかんに交わされているご時世ですが、そういった意味でヘンプは今の時代にすごく合ってるし、非常に魅力的だと思うんです。今後はそれをもっと色んな分野で有効に活用して、決して特別なものではない、生活に密着した存在となっていくほうが自然だと思う。
ジョイントのボディにプリントがのった瞬間っていうのは、未だにすごく楽しいし毎回感動があります。やっぱりTシャツを刷るっていうのが自分のルーツだし、昔ジョニオさんのところでやっていたのと同じ衝撃が今でもあります。あとはいろいろな人とコラボした時がすごく面白い。最近ではスタイリストの本間良二くん、染色家の小上馬和宏さん、スケーター兼アーティストのDISKAH、雑誌『スペクテイター』などとコラボさせてもらいました。自分が渡した素材に、全く想像のつかないアイデアやデザインがのってきた時は本当に新鮮だし、そこには常に驚きや発見があります。まさにブランド名の“ジョイント”ではないですが、この人とジョイントしてすげえ面白いものができたなあっていう感動は、何ものにも代えがたいですね。
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