【ブランドフォレスト:トレイルバム】
モノの溢れる今だからこそ作った“これぞウルトラライト”といえるバックパック!

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突如として現れたブランド「トレイルバム」。ファーストモデルの内一つは「Bummer」と名付けられたバックパックだった。その削ぎ落とされたシルエットは、初期ゴーライトや、ゴッサマーギアなどを彷彿とさせる佇まい。なぜ今になってULギアの黎明期を思わせる、こんなシンプルなバックパックにこだわったのか? 中心人物2人に話を伺った。

バックパック商品イメージ

長谷川 晋さん
自身の豊富なロングディスタンスハイキングの経験を活かして、トレイルバムでアドバイザーを務める。自著にロングディスタンスハイキングについてまとめた「LONG DISTANCE HIKING(発行:TRAILS)」がある。

稲垣 幸俊さん
トレイルバムの発起人であり、プロデューサー。かつて日本にGO-LITEを広めた張本人でもある。ロングディスタンスハイキングの経験はないが、ハセツネカップなどへ出場したことも。

甲斐: トレイルバムっていうブランドを作るきっかけってなんだったんですか?

稲垣: そもそものきっかけは、アメリカのORショーでゴーライトを見たインパクト。

甲斐:ゴーライトは、稲垣さんと一緒に営業しましたよね。その時に、最初に食いついてくれた数少ない人の一人が、当時まだODボックスに居た、ハイカーズデポの土屋さんだった。

長谷川:辿っていくとそこなんですね。

甲斐:そんな稲垣さんがはじめたブランドっていうことで、すごく興味もあるし、期待してるんですよ。

長谷川:僕が稲垣さんに最初に言われたのが、軽くてシンプルなものをきちんと作りたいということ。どんどん過剰になっていく中で、そうじゃないものをもう一度市場に戻したいと。

稲垣:でも俺にはノウハウがないから。協力してくれって頼み込んで。洋服の企画とかはやってたけど、リアルハイカーが使いたいとか、使って良いと思うものは、自分だけじゃ作れないから。

甲斐:だからPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)や国内のトレイルなどをスルーハイクしてきた長谷川さんだったと。でも、不思議なのがさ。稲垣さんってそこまでシリアスなハイカーじゃないでしょ? そんな稲垣さんがわざわざ大変な思いをして、ブランドまで立ち上げてやろうとした熱量の源ってなんなんでしょう?

稲垣:本物っていうものに対する憧れみたいなのは強かったかも。例えば昔のパタゴニアのカタログに出てくるようなクライマーの服とかギアとか、そういうのがすごく好きだった。そういう本物を、自分で作ってみたいなという欲求があったのかなあ。

甲斐:なるほど。トレイルバムっていうブランド名の由来は?

稲垣:ハイカーだけのものにしたくないという思いがあったから、ハイカーという言葉は入れたくなかった。

長谷川:じゃあ、俺とか稲垣さんとかがどこで繋がってるんだろうかって考えた時に、「トレイル」というキーワードが出てきた。そういうトレイル上の遊びやカルチャーに熱中している人たち。そして熱中するあまり、どっちが生活の軸足がわからなくなっちゃった人たち。そういう人に向けて物を作りたいなという想いから、トレイルという言葉の後に、「ものすごくなにかに熱中している人」という意味のバムという言葉をくっつけたんです。

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甲斐:物作りの際の立ち位置って、稲垣さんがこういうものを作りたいっていうのを伝えて、それを長谷川さんが経験値を活かしていろいろとアドバイスをして、そして具体化していくって感じなんですよね?

稲垣:でも、長谷川さんからのダメ出しも凄いんだから(笑)。俺が欲しいと思っても、長谷川さんから言わせたら、いらないよってものも多かったし。

甲斐:例えば今回のこのバックパックでもそういう意見の食い違いはあったんですか?

長谷川:全部じゃないですかね(笑)。僕個人としては、もうすでに物は充分にあると考えているんです。だから、そもそもの話として、あまり新しいプロダクトを生み出す必要性を感じてないんです。

稲垣:そこブレないよね。俺がなにかを作ろうって話をしたら、聞く前から「いらない」って即答だったもんね。今ある物で満足してるって。でも、長谷川さんが面白いのは、そこから捻り出してくれるところ。「なんか、ここを変えたいとかあるでしょ?」とかどんどん掘っていくと、これで満足しているけど、ここがもうちょっとこうなると、より良いかも、みたいな感じで広がって行って。そのうち勝手に自分で盛り上がり始めてくれる(笑)。

甲斐:なんか下町の頑固オヤジみたいですね(笑)。

長谷川:でも、今でもやっぱり常にジレンマはありますよ。ゆくゆくはゴミになってしまうものを新しく作り出すっていうのは。だって、バックパックって世の中にいっぱいあるじゃないですか。次から次へと出てくるし。

甲斐:それでも手伝ったのはなんでなんですか?

長谷川:これだけ簡素化されたバックパックは、市場からなくなってしまっていたので、だったら作る意味があるなと。そもそものスタート地点はこのバックパックのようにシンプルなものだったはずで、そういうものを忘れてはいけないなという思いもありますしね。

甲斐:残さなければという思いからなんですね。

長谷川:ゴッサマーギアの創設者がハイカーズデポに講演に来てくれたことがあって、その時に「ULバックパックにオリジナルなんてものは存在しない」って言ったんです。簡素化を突き詰めるのがULだとすると、最終的にはバックパックは同じ形になるはずだって。でもそこにいかに個性を出すのかというのが、難しいところでもあり、作る意味でもあると思うんですよね。

稲垣:でも、その点では割と上手くいったんじゃないかな。もちろん、Steadyはスルーハイカーの舟田靖章さんが自作したものとか、BummerはゴーライトのDAYとかが元ネタとしてあるんだけど、そこにさらに長谷川さんの経験値やセンスがミックスされた結果、出来上がったものはどっちとも微妙に似てないよね。

甲斐:微妙な差がひとつひとつ積み重なった結果が、このバックパックのオリジナリティということなんですね。

長谷川:実際使ってみても、ものすごく使いやすいですしね。

甲斐:具体的にはどのへんが?

長谷川:まず、背負ったときのバランスが良いこと。ショルダーストラップのカーブも良い。まあ、この辺は舟田さんのバックパックが良くできていたってことです。構造をシンプルにしていくことで、この大きさにしてはかなり軽いものになっていると思います。

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甲斐:どんな使い方をして欲しいとかっていうのはあるんですか?

長谷川:使うシチュエーションがイメージできすぎる道具ってあまり好きじゃないんですよ。例えば「このポケットはボトル用です」みたいな。このバックパックに関しては、あえて自由度を残してあるので、好きに使って欲しいですね。人によってはサイドポケットを切り離して使ったりしても良いだろうし。

稲垣:使い方に個人差が出てくると嬉しいよね。そこがUL系の道具全般に言える良さだったりするし。

長谷川:もちろん、不満もまだあるので、そのへんは今後どんどんアップデートしていければなと思いますけどね。

稲垣:おお、ヤル気(笑)。サコッシュも作ったしね。

長谷川:絶対いらない!って言ってたはずなんだけどなあ(笑)

甲斐:タートルという名前のサコッシュですが、どんなものなんですか?

稲垣:長谷川さんがPCTを歩いた時に自作したサコッシュを元に作ってます。

長谷川:サコッシュの上部分に蓋代わりとしてスタッフサックをくっつけたってだけのものなんですけどね。それがなかなか使い勝手が良かったんですよ。本音を言えば、いまでも新しいサコッシュはいらないと思ってますけどね(笑)。

稲垣:何を作るにしても、常に長谷川さんの説得から入るからね(笑)。

甲斐:でも、それがある種、良いフィルターになっている感じもありますね。無駄なプロダクトが生まれない。

稲垣:長谷川さん含め、リアルなハイカーの人たちがOKって思うレベルの物じゃないと作る意味がないってのは、ポリシーとしてありますね。

懐かしさと、新しさが混在する!
日本発のULバックパック!
BUMMER
BUMMER
17,280yen(税込)
本体には、ハイテクな素材をあえて避けて、
軽量で丈夫なリップストップナイロンを採用
し、修理やカスタムを楽しみやすいD.I.Y.精神
をくすぶる素材選び。背面は、ノ―フレーム
のノーパッド。形をまねたバックパックを作
るだけではなく、スル―ハイカーならではの
文化を伝えるべく作られたアイテムです。
D.I.Y.精神の宿った、
オリジナリティーのあるサコッシュ!
HIKER SACOCHE TURTLE
HIKER SACOCHE TURTLE
3,456yen(税込)
巾着型のスタッフサックに由来する形で、
トップにはドローコード付き。50Dのリップ
スポリエステル採用の、軽量で丈夫な素材選
び。共生地のショルダーストラップは、付属
のアジャスターで長さの調節が可能。外側に
は、直ぐに取り出したいモノの収納に便利な
メッシュポケットが付いています。
trailbum
都会での生活よりもトレイルで過ごすことに熱中するTRAIL BUM達。
そんな彼らのライフスタイルのように、シンプルで無駄の無いギアやウェ
アを提供したい。そんな思いで、土屋智哉氏率いるHighland Design
による監修のもと新しいアウトドアブランドが登場しました。

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