

2012/01/13

近年、巷では“大人”というワードをよく耳にする、「大人の休日倶楽部」、「大人エレベーター」、昔から好きなお菓子でさえ「大人のうまい棒」など、日常的に聞く言葉だ。ファッションでも大人というキーワードは欠かせないキーワードになっているが、いったい大人ってなんなんだろうか。人それぞれ考えはあるが、私が思うファッションで言う今の大人とは、ただ流行に敏感だとか、高いものを着ているだけではなく、本当にイイモノを知っている人。そして大人なモノはというと、イイモノを分かっていてポイントは押さえてながら、楽しんで作られているものではないかと思う。
長年、世界のデザインシーンでデニムを中心にして活躍してきたデザイナー、加藤博が手がける自身のブランド「KATO'」。 生地、加工に徹底的にこだわり、ヴィンテージのディティールや風合いをKATO’なりの解釈で独自に落とし込むAAAは、ヴィンテージを再現するのではなく新たに構築した、KATO’にしか作れない新しい洋服達。その中から少し上品なアイテムを中心とするDRESSライン。
今回紹介するニットカーディガンはそんなKATO'のドレスラインのアイテム。まさに大人なアイテムである。選んでいる素材、編み減らしなど、ニットというからにはの要素が盛り込まれているのはもちろん、さらにそこから、ちょいひねりの仕掛け(トリック)が随所に施されている。
Vネックカーディガンの素材は言わずと知れた高級感と滑らかな肌触りが大きな魅力のカシミアウール。チクチクとした感覚は全くなく、非常にソフトで、素肌に着ることもでき、カットソーのように1年中使える。シルエットも古着やインポートの物と違い、着丈も長すぎず、アームホールを絞り、野暮な感じはない。ちょうちん袖はカフスとの相性もよく非常に着やすい。さらにVゾーンはあえて狭く、ネクタイなどにも合わせやすい。3cmほどの細めのリブ始末なども意外とありそうでないアレンジで洗練されている。
ショールカラーのケーブルニットカーデは、KATO’ならではのフィット感とアレンジでさらに高感度。アウターの印象の強いアラン柄のニットもミディアムゲージのざっくりとした毛足の長いモヘア風にすることでハイゲージのニットのような雰囲気ながら抜群の着心地を体感させてくれる。また、くるみボタンなどクラシックな要素や、ショールカラーは通常だと折り返しにしているが、そこをリブにすることでジャンパーのように見せているのも面白い。
些細なことが重なって、それがデザインになっている。着てみて気付く感動のある仕掛けはまさに今の大人向け。
これから本格的に寒くなっていく中で、充実させていきたいものはアウターばかりではなくインナーにも気を使いたい。寒いときにはブルゾンやジャケットなどのインナーに、温かくなればブルゾンのようにアウターとして、スーツスタイルにも合わせることも可能なカーディガン。年の初めだからというわけではないが、外見は内面を磨くことからとはよく言ったもので、ファッションに関しても内側に着るもののセンスを磨くことで、今の大人になりたい。
WRITER

OGACHI。東京生まれ。34才。高校時代、近所の兄ちゃんにもらった古いバッシュを履いていたら女子から脚光を浴び、それに気をよくしてファッションに興味を持つ。
某アパレルショップ~アパレルメーカーを渡り歩き現在に至る。愛読書はさいとうたかをの『サバイバル』。
好きなスポットは『秘境』。海と中目黒をこよなく愛しているが住んでいるのはさいたま県。
